『眠れる森の美女』のリメイク作となる実写映画『マレフィセント』に登場するマレフィセントは、オリジナル版とは性格が大きく異なります。いうならば新たなマレフィセント像が誕生したともいえるでしょう。

当記事では、オリジナル版と『マレフィセント』のマレフィセントの2つの性格に触れつつ、『マレフィセント』に見る新たな“マレフィセント像”について考察しています。

オリジナル版「マレフィセント」

1959年に公開されたディズニー映画『眠れる森の美女』に登場するマレフィセントは、典型的な“悪い魔女”として描かれています。

作中では、城に招待されなかったことに腹を立ててオーロラ姫に呪いをかける、王子をさらっていくなど、悪い行動や言動には枚挙にいとまがなく、良心のかけらも見当たらない“ワル”そのものです。さらに自らを「悪の頂点」と語っています。ただ、ペットであるカラスの「ディアブロ」に対してだけは、思いやりをのぞかせる場面も。

また、原作を含めたその他作品群およびディズニーリゾート等に登場するマレフィセントも基本、先に示した悪い魔女として描かれています。

ですから、一般にマレフィセントといえば、“悪い魔女”を指します。

『マレフィセント』の「マレフィセント」

『マレフィセント』と『眠れる森の美女』の違いを踏まえつつ、新たな“マレフィセント像”について考察していきます。

キャラクターの性格が異なる『マレフィセント』

実写映画『マレフィセント』(2014)は、もう1つの『眠れる森の美女』ともいえるリメイク作。登場人物や途中までのあらすじはアニメ版とほぼ同じです。ただし、キャラクターたちの性格を除いては。

『マレフィセント』に登場するキャラクターたちの性格はアニメ版とは随分異なります。特にマレフィセント、王様、妖精はアニメ版とは性格が真逆。また、マレフィセントがアニメ版で行った悪い行いにも納得のいく理由が付け加えられているのも本作の大きな特徴です。

新たなマレフィセント像

『マレフィセント』に登場するマレフィセントは、率直に言って”善い奴”です。幼少期は元々妖精という設定で、その時の笑顔はまさに天使そのもの。性格も素直でいい子です。

特に注目すべきは、オーロラに呪いをかけた後のマレフィセントの行動です。

マレフィセントは、1度はアニメ版のようなひねくれた性格になってしまい、オーロラに呪いをかける点に違いはありません。ただ、これは恋人の裏切りといった最もらしい理由が付け加えられています。そして、呪いをかけた後のマレフィセントは、アニメ版とは全く別の顔をのぞかせます。

なんとマレフィセントは、幼少のころから16歳になるまでのオーロラを見守り続けます。オーロラが死にそうな場面では手助けをし、自分がかけたオーロラの呪いを1度は解こうと試みたことも。(ただ、これは失敗に終わります。)また、オーロラが呪いにかかって眠りについた後も、身の危険を顧みずオーロラを助けたのもマレフィセントです。

ここまでくるともはやアニメ版とは全くの別人です。誰も想像だにしなかった、新たなマレフィセントがここに誕生したともいえます。

以上より、アニメ版には見られなかった“母性”や“慈愛”といった感情が加えられたマレフィセント、それが今回の映画で描かれたマレフィセント像だと筆者は結論付けます。


まとめ

『マレフィセント』は、予想以上に良い出来で、筆者はオリジナルよりむしろこっちの方が好きです。マレフィセントの印象も180度変わりました。あと、監督が相当なマレフィセント推しなんだなというのがもの凄く伝わってきました。(笑)

できれば、続編を期待したいですが、エンディングを考えると少し難しいのが否めない…。


ぶん文太

彼女の影響を受けてディズニーに感化。いっそ記事にしてしまえと執筆中。スポーツ好きです。(大相撲、ボクシング、陸上など)。趣味は陸上(短距離)と相撲観戦。

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