『ノートルダ納品の鐘』において、主人公カジモドの親友として登場するのが動く石像「ガーゴイル」。謎の多いキャラクターでありがゆえ、人によってはカジモトの単なる”妄想”と考える人も少なくありません。
当記事では、『ノートルダムの鐘』に登場するガーゴイルの石像について詳しく説明しています。石像がカジモドの単なる妄想なのか検証し、またガーゴイルの石像の存在意義などについて筆者なりの答えを出してみたので、興味のある方はどうぞ寄ってってください!
ガーゴイルの石像はカジモドの親友
ディズニー映画『ノートルダムの鐘』(1996)に登場する「ユーゴ」、「ヴィクトル」、「ラヴァーン」は、主人公カジモトの唯一の親友としてノートルダムの大聖堂に一緒に暮らす動くガーゴイルの石像です。
いずれも羽が生えた悪魔の様相をしたガーゴイルをモチーフとしていますが、性格はその見た目とは裏腹にとっても優しい連中です。ユーゴは太って陽気、ヴィクトルはスマートで情に厚い、そして唯一の女性となるラヴァーンはしっかり者でカジモドのよき相談役です。
ちなみに石像のユーゴ、ヴィクトルの名は、ともに『ノートルダムの鐘』の原作『ノートルダム・ド・パリ』(1831)の作者ヴィクトル・ユーゴーを由来とします。ラヴァーンは不明。
また、3体いずれの石像も、基本的にカジモド以外の他人に話しかけたりすることはなく、カジモドと話している最中でも、人が来くればすぐ動かなくなってしまうことがあげられます。
声優は、日本語吹き替え版だと、ユーゴは治田敦、ヴィクトルは今井清隆、ラヴァーンは末次美沙緒。英語版だと、同順ジェイソン・アレクサンダー、チャールズ・キムブロー、メアリー・ウィックスおよびジェーン・ウィザース。
唯一のディズニー要素
ガーゴイルの石像たちは、『ノートルダムの鐘』の原作『ノートルダム・ド・パリ』(1831、ヴィクトル・ユーゴー作)には、一切登場していないディズニーオリジナルのキャラクターです。
さらに見方によっては、作中、ファンタジー引いてはディズニー要素を唯一垣間見えるキャラクターともいえます。
もともと『ノートルダムの鐘』は、作品全体を通して現実的な側面を全面に押し出しています。誰かが不思議な力や魔法を使えるわけでもなく、おとぎの国もありません。作品の命題ともいえるカジモドの容姿も単に生まれ持ったものです。
そのため、石像が動くというキャラクターは、作中で唯一の非現実的な部分つまり”ファンタジー”となります。
ディズニー作品といえば、シンデレラ然り、白雪姫然り、ファンタジーが一つのウリであることは周知の通り。
その結果、ガーゴイルの石像たちは、『ノートルダムの鐘』の唯一のディズニー要素といえ、ディズニー作品たらしめる唯一のキャラクターと解釈できるわけです。
カジモドの妄想なの?
ガーゴイルの石像は、カジモドの前でのみ会話するため、カジモドの妄想なのでは?といった疑問を持たれる方は多いです。
ですが、それはあり得ません。
例えば、作中最後に繰り広げられるフロローとの攻防戦で、3体の石像は大聖堂に迫ってくる兵士たちを何人も打ち倒して大活躍しているシーンを上げることができ、さすがにこれをカジモドの妄想をするのは無理があります。作品はあくまで全体を通してみるべきです。
また、続編『ノートルダムⅡ』でも石像たちが登場しますが、マデリンが石像たちの動くことを感じ取っていますし、最終的にその存在にも気づいています。
記事:【ノートルダムの鐘Ⅱ】「マデリン」って何者? カジモドの恋人!?
ですから、カジモドにしか話しかけないのは、彼が唯一信頼のおける人物だからと考えるのが妥当でしょう。カジモドの心がそれだけ優しい証拠とも言い換えられます。
石像は実際にある
実は、作品の舞台となったパリのノートルダム大聖堂には、実際に何体ものガーゴイルの石像を目にすることができます。元々ガーゴイルはあらゆる動物の一部を組み合わせた怪物のため、その容貌は一様ではなく種類も豊富です。
そして、屋上にあるガーゴイルの石像こそが作品の元ネタです。似てない?
ちなみにガーゴイルの石像は、魔除けとしての意味を持つといわれ、ノートルダム大聖堂からパリを眺めています。つまり、いつ何時も大聖堂が侵されないよう見張っているわけです。
まとめ
ガーゴイルの石像はカジモドのみならず、作品にとっても欠かすことのできない重要なキャラクターです。ガーゴイルの石像あっての『ノートルダムの鐘』ともいっても決して言い過ぎではありません。
カジモドからしてみれば、この石像たちのおかけで自身の自我が保ているともいえるでしょう。もう少し深読みすれば、彼らがいたからこそカジモドがここまで優しい人物になったのかとも考えられるのではないのでしょうか。
まあ、気のいい連中には違いありません。
0件のコメント