物語のクライマックスに登場する巨大クジラ「モンストロ」。ピノキオやゼペットたちに襲い掛かり、あわや窮地へと追い込みます。
当記事では、ゼペットがなぜモンストロに飲み込まれたのかその理由や、クジラの種類、さらに原作との違いなどについて詳しく説明しています。

巨大クジラ「モンストロ」

ディズニー映画『ピノキオ』(1940)に登場する「モンストロ」は、巨大な“怪物クジラ”です。とにかく規格外の大きさで、作中、ピノキオの生みの親であるゼペットを丸飲みしています。ただ、ゼペットは腹の中で猫のフィガロと金魚クレオとともに何とか生き延びています。

性格は、狂暴そのもの。なんとか腹の中から出てきたピノキオたちをすぐに追いかけ、襲い掛かろうとします。また、種類問わずあらゆる魚を食べようとし、マグロを大量に腹の中に入れるシーンも。

近年では、TVゲーム『キングダムハーツ』(2002)に登場したことでも話題に。

ゼペットはなぜ飲みこまれた?

作中、おじいさんらは知らぬ間にモンストロに飲み込まれています。これに関しては、物語中盤、ゼペットの家に帰るも、ゼペットがいないことにただ呆然(ぼうぜん)とするピノキオたちに突如舞い降りた、妖精のお告げから読み解くことができます。

妖精のお告げによれば、「ピノキオを探しに出てクジラに飲まれ、クジラの腹の中にいる」と知らされます。

つまり、ピノキオが帰ってこないで心配したおじいさんは、そのまま海にまで赴き、そのままクジラに食べられてしまったというわけです。

ちなみに、猫のフィガロと金魚クレオも一緒に飲み込まれているので、ゼペットは一度1家に戻って、その後かなりの大荷物で出歩いていたということに!?

クジラの種類は?

体長数十メートルに及ぶモンストロは、まさに“怪物クジラ”。ですが、実際の自然界にもモンストロにも引けをとらない、巨大なクジラは存在します。

まず真っ先にあげられるのは、世界最大の哺乳類でもある“シロナガスクジラ”。体長は23メートル以上に達し、過去には33m以上の個体も発見されたこともある、まさに“怪物”です。

さらに『ピノキオ』のDVDのトレビアでも、モンストロの登場場面でシロナガスクジラのことが語られています。

ですが、シロナガスクジラにはモンストロのようなキバは持ち合わせていません。

それを踏まえて考えると“マッコウクジラ”こそが、モンストロと呼ぶにふさわしいクジラかもしれません。マッコウクジラは、歯のあるクジラ(ハクジラ)の種類の中では最も大きなクジラで、その体長はおよそ16から18mに達します。その見た目もマッコウクジラのほうが断然似ており、よりモンストロに近いクジラだと言えるでしょう。

また、一説によるとモンストロは、シロナガスクジラとマッコウクジラのハーフともいわれています。むしろ、こちらのほうが自然です。少なくともモンストロは、いくつかのクジラを参考にして描かれたキャラクターと考えるのが妥当でしょう。

ですから、シロナガスクジラの大きさに加え、マッコウクジラのキバも持ち合わせたクジラがモンストロなのかもしれません。


原作ではサメだった

『ピノキオ』は、カルロ・コッローデが描いた『ピノッキオの冒険』(1883)という原作を元に描かれた作品です。

実は原作では、モンストロは登場しておらず、代わりに巨大なサメがピノキオを丸飲みにしてしまいます。ただ、サメのお腹に、おじいさんつまりゼペットがいる点は映画同様です。

ゆえにモンストロはディズニーのオリジナルキャラクターというわけです。

ちなみに原作の『ピノッキオの冒険』は、『ピノキオ』よりもかなり“過激”な内容となっています。気になる方は1度読まれてみたらいかがでしょうか?

まとめ

今でこそおとなしいイメージの強いクジラですが、当時はまだ、その生態について詳しく知られていなかった時代。結果としてモンストロのようなキャラクターが誕生しています。やはり、その大きさが“怪物”とするに適役だったのでしょう。


ぶん文太

彼女の影響を受けてディズニーに感化。いっそ記事にしてしまえと執筆中。スポーツ好きです。(大相撲、ボクシング、陸上など)。趣味は陸上(短距離)と相撲観戦。

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