日本で旋風を巻き起こした『アナ雪』。その人気ゆえか、エンディング曲はなぜ松たか子ではなく、May J.だったのか?という疑問と、ある種の批判じみた声も矢継ぎ早に出てきました。
そこで筆者は、何故エンディング曲は松たか子ではなくMay J.だったのかについて調べ、筆者なりにMay J.が選ばれた理由についても考えてみました。気になる方はどうぞ寄ってってください!
歌手が異なるのはオリジナルを踏襲しただけ
「Let it go~ありのままで~」の歌手が本編とエンディング曲の歌詞が異なる点については、そもそもオリジナルの英語版を含め諸外国でも、本編とエンディング曲「Let it go」の歌手は異なります。
英語版だと本編イディナ・メンゼル、エンディング曲デミ・ロヴァート、お隣中国版だと本編フー・ウェイナ、エンディング曲ヤオ・ベイナ、そして日本だと本編松たか子、エンディング曲May J.と、全く問題ありません。一部の例外を除けば、その他諸外国でも同様です。
また、May J.自身のインタビューでも、「そういう仕組みなんだけどな。全世界で必ず、劇中歌とエンドソングっていうのはアレンジが違う。そして歌っている人も違うっていう共通があるんだけれど」と先と同様のことを述べています。
歌手の違いは日本だけが特別だったというわけはなく、むしろオリジナルに忠実に従っただけの話と言えます。
さらに作詞・作曲を担当したクリステン・アンダーソン=ロペスは、「(エンドソングは)映画の終わりとエンドクレジットでそうあってほしいと思っていた通りになっている」と、本編とエンディング曲とでは歌手だけでなく、その歌詞にも違いがあることを強調しています。
本編とエンディング曲、“歌詞”に違いがあるのならば、“歌手”もいっそ違う人にしようと考えても別段不思議なことではありません。
ですから、曲が心に響かない、May J.の性格が嫌などといった批判はさておき、歌手が違うからおかしいからというのは、お門違いです。
DisneyがMay J.へオファー
先の通り、本編とエンディング曲とで歌手が異なることは全く問題ないことです。ただ、ここで1つの疑問が残ります。
そもそも何故、May J.がエンディング曲に選ばれたのか?
当然の疑問といえば疑問です。
そこで早速、筆者が調べたところ、どうやらDisney側からMay J.へとオファーを出したみたいです。
また、アナ雪が公開された後、ニンテンドー3DS『ディズニー マジックキャッスル マイ・ハッピー・ライフ2』というTVゲームのテーマソング「Sparkle –輝きを信じて–」(「May J. sings Disney( 2AL+DVD)」に収録)をMay J.自身が作詞・作曲してリリースしています。もちろん、オファーを出したのはDisneyです。
これらを顧みるに、May J.がエンディング曲を歌うことになった経緯は、Disney側からMay J.へオファーを出したというのが一番妥当と思われます。逆だと普通、余程のことがない限り門前払いを食らいます。何せ天下のDisneyですから。
May J.抜擢の理由は?
最後に本題となる何故May J.選ばれたのか?について。
これは考えるにあまり難しくありません。当時のMay J.は『関ジャニの仕分け∞』(テレビ朝日)の番組内のカラオケ対決コーナーで、26連勝を記録し一躍ブレイク。「女王」とも呼ばれ、ご存知の方も多いはず。そして、アナ雪が公開された2013年と時期とも丸かぶりです。
また、英語版のエンディング曲を歌ったデミ・ロヴァートとMay J.は、ともに複数の民族の血筋を引く点で共通しており、これもエンディング曲抜擢に全く関係ないとは言えないでしょう。
May J.の父親は日本人、母親はイラン人、さらに母方の祖母はロシア系に加え他にスペイン人、イギリス人、トルコ人と続き、かたやデミ・ロヴァートの場合もメキシコ人、アイルランド人、イングランド人とイタリア人と他民族の血を受け継いでいます。
あと、個人的にですが、両者の見た目の雰囲気もどことなく似ている気もします。(笑)
さらに付け加えるならば、当時の彼女はテレビ番組で有名になったとはいえ、まだまだ無名に近い存在。ですから、そこでアナ雪のエンディング曲を歌うことで、“シンデレラ”さながらのサクセスストーリーも期待されたのでは?と勝手に思っています。
ただ、その評判が真逆のベクトルに向かっていたのは、単にMay J.が不幸だったとしかいいようがありませんが…。美人への嫉妬か? はたまたそのキャラゆえか? 日本でのアナ雪の人気が別格だったことも全く関係がないともいえません。
記事:『アナと雪の女王』の興行収入を徹底解説! 国別TOP10など
まとめ
少なくともMay J.がエンディング曲に選ばれたことに関しては、全く落ち度がないことははっきりしています。これは断言できます。裏で何かやっていると考えられなくもないですが、おそらくどこかの週刊誌がすっぱ抜くはず。
また、今回はややMay J.擁護的な記事とはなりましたが、エルサの衣装で登場、プチ問題発言など批判されうる材料がそろっているのもまた事実です。ただ、歌そのものに関しては、世間のよくいう心に全く響かないというのは、少なくとも筆者は言い過ぎだと思います。それこそ、歌には罪がないといえます。
あと「Sparkle –輝きを信じて–」、普通に良い曲です。
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