ディズニー映画『ノートルダムの鐘』の原作は、内容がよりシリアスに描かれており、映画とは大きく異なる点がいくつかあります。
当記事では、それら違いをいくつかあげて説明しています。映画をご覧になって原作も気になった方は、ぜひ寄ってってください。
原作はバッドエンド
ディズニー映画『ノートルダムの鐘』(1996)と、その原作『ノートルダム・ド・パリ』(1831)との大きな違いとして、その結末が真っ先にあげられます。
映画の場合だと最後、主人公のカジモドは、恋をしたエスメラルダと結ばれこそしませんでしたが、ノートルダムの大聖堂で繰り広げられた攻防戦での尽力により、民衆から英雄扱いを受けています。カジモドも満面の笑みを浮かべていることからも、これはこれで一つのハッピーエンドといっても差し支えないでしょう。
さらに続編『ノートルダムの鐘Ⅱ』(2002)にいたっては、街の人たちと打ち解けており、マデリンという美しい女性とも結婚しています。完全なる勝ち組です。
かたや原作の場合だと、エスメラルダと結ぶ以前に、当の彼女は悲劇の死を遂げます。さらにカジモドも後を追うように死んでいます。(ただし、奇妙な形をした人の骨とあるだけでカジモドが死んだと明記されているわけではありません。)
原作がバッドエンドなのはいうまでもありません。
キャラクターの性格が違う
『ノートルダムの鐘』のカジモドの性格が一点の曇りがないほど優しいのに対し、原作のカジモドの性格は、「意地悪」です。本文にもはっきりと明記されています。
また、カジモドの恋敵ともいえるフィーバスは、まさに「正義の人」という言葉がそのままあてはまるナイスガイでした。
ですが、原作では、顔こそ“イケメン”にかわりありませんが、婚約者がすでにいるにも関わらず、エスメラルダに求愛するというどうしようもないやつです。また、名前も「フェビュス」と異なるため、むしろ別人と捉えたほうが良いのかもしれません。
あとフロローも映画みたいに単なる悪党には描かれていません。まあ、ワルには違いありませんが。
動く石像はディズニーオリジナル
『ノートルダムの鐘』において、カジモドの親友として登場する3体の動く石像。カジモドの前でしか動かない、作中で唯一のファンタジー要素ともいえるキャラクターです。
ですが、原作ではこの動く石像は一切出てきません。ですから、カジモドはずっと独りぼっちのままの状態で、大人になっています。映画の方が性格が優しいのも石像たちがいたからとも考えられます。
動く石像についてもっと詳しく知りたい方は、次の記事をどうぞ!
記事:【ノートルダムの鐘】3体の動く「石像」は何者?実は唯一のディズニー要素
カジモドは耳が聞こえない
原作では、カジモドは耳さえも聞こえません。これは、ノートルダムの鐘を毎日叩いたために起きた障害とされています。つまり、原作のほうがカジモドはよりハンデを背負っているわけです。
まとめ
『ノートルダムの鐘』は、数あるディズニー映画の中でも特にシリアスな内容とよく言われますが、原作はさらにその上をいきます。むしろ原作のほうが現実的ともいえます。ディズニー作品は、あくまで「夢」を与えるものです。
また、登場人物の違いなど、原作との微妙な違いは他にもいくつかあります。気になる方は、ぜひ原作も読んでみてください。
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